とっておきの熊野 熊野古道エコツーリズムその四 記録

『鳥たちの住み処へ』
〜甫母峠で、野鳥と出会う〜

実施日:平成18年1月15日(日) 

場所: 三重県熊野市 二木島漁港、甫母〜甫母峠

参加者: 10名


熊野灘に面した甫母の町から熊野古道曽根次郎坂太郎坂の甫母峠に至る道は、人通りもほとんどない静かな道です。谷川に沿って様々な樹木が茂る自然林が残っています。しかし、かつてここは街道に出るための重要な道でした。そのため今でも立派な石段があり、坂道が続くけれども、歩きやすい古道です。沿道には大日如来が祀られ、また甫母峠のほうじ茶屋跡の地蔵に対して中の地蔵と呼ばれる地蔵が大切に祀られていて、今でも地域の人々の生活道として生きています。

甫母峠へ続く道を歩
ガイドの竹内捷二さん

周囲は紀南地域あたりでもっとも多く野鳥が生息する場所の一つです。今回の『鳥たちの住み処へ』はこの森を主たる観察スポットとして実施されました。

観察は熊野市の竹内捷二さんのガイドで進められました。竹内さんは「1種類1種類の鳥をじっくりと見て、その生活ぶりを知ってもらいたい」「鳥の生活に少し入れてもらうと、鳥が植物や虫などの多くの命とつながり合っている自然界を感じることができる」と言います。鳥の姿を見たり名前を覚えたりするだけのバードウォッチングではなく、鳥の習性を理解することに重きを置いた観察会となりました。

甫母の町にある荒坂小学校甫母分校(休校)の裏からすぐ森に入ります。道すがら、キセキレイ、アオジ、ジョウビタキ、メジロ、コゲラ、エナガ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ウグイスなどの声を聞くことができました。また、キツツキの仲間のコゲラの声がして木を見上げると、首をすばやく前後に振ってドラミングしている様子を見ることができました。

竹内さんから、季節や状況によって鳥の鳴き方が変わるということの説明がありました。たとえばこの日、メジロの声はチーチーと聞こえましたが、近くに何かあるとチュンチュンと鳴いたり、キリキリと鳴いたりするのだそうです。ヒヨドリは普通キーキーと鳴きますが、機嫌がよいとピーヒョロロと鳴くこともあるそうです。
甫母峠の東屋で、メジロ取りの話を聞く

甫母の町を出発する前には、二木島漁港と甫母の海で、海鳥を観察しました。観察できたのはユリカモメ、カモメ、オオセグロカモメ、ウミネコなどです。ユリカモメのからだは小ぶりですが、羽がやや前方についており、飛ぶ姿はひときわ優雅です。海上から獲物の魚を見つけると、ダイビングして捕まえます。一方、ユリカモメと比べるとからだの大きいウミネコはダイビングの習性はないはずなのですが、近年すぐ近くでユリカモメが水中の魚を捕っている様子を見て学び、ダイビングすることを覚えたそうです。しかし、まだまだ上手ではなく、魚の捕獲率も低いそうです。

竹内さんはガイドをする上でも大きな声を出さず、静かに様々な鳥についての解説をし、子供のころからのメジロ取りを通じて学んだことなどを話されました。美しい海と森の中で、鳥を見たり声を聞いたりしながら、じっくりと自然を味わう旅となりました。
二木島漁港にはたくさんの海鳥がいる
参加者の方々からは「甫母の森の豊かさを知った」「鳥を人になぞらえて習性を説明するのがわかりやすかった」「鳥の声や森の音に耳をそばだてるのが新鮮だった」「森の中にごみが落ちていないのがすばらしい」などの感想を聞かせていただき、旅は終了しました。この美しい自然と、鳥を通じて自然に触れることの大切さを感じました。

眼下に甫母の海を見る

(橋川記)

以上


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