とっておきの熊野 ふるさとの伝統の技術体験講座 ツアー記録

『市木木綿』

実施日:平成17年4月26日(火) 

場所: 御浜町市木

参加者: 10名

 御浜町で市木木綿を昔ながらの製法で織りついでいる大久保真三さん・加寿さん夫妻の製造現場を見学し、お二人からその歴史や作る側から見た市木木綿の良さや特徴を聞いた後に、市木木綿の風合いや色合い、縦縞の美しさに魅かれて布バッグや小物作りを楽しんでおられる同町の倉本和子さんの指導で、使う側から見た市木木綿の魅力をもう一度見直し手芸を楽しもうという講座を開催しました。

集合時間の30分前から参加者が集まり始めました。お話しをいろいろとうかがっていると、以前に大久保さんの工場を見学したことがある人、すでに大久保さんの仕立てたシャツなどを何着か持っていて大久保さんと顔見知りの人なども参加していました。
今回、新聞や雑誌のライター、ケーブルTVの取材もあり、参加者、紀南ツアーデザインセンターのスタッフ、取材陣と大所帯で“いちぎ木綿大久保織布”を訪れました。
大久保さんは、藍で染めた市木木綿の作務衣を着ていましたが、その色合いがとてもよく大久保さんに似合っていました。

市木木綿ツアーの参加者

大久保さんの仕立てたシャツを見せてもらい、少しお話しを聞いた後に、明治の頃に立てられた工場を訪れると、機械にさすなたね油の匂いと油の染み込んだ床に歴史の深さを感じました。

工場の見学をします。
木の部分には油がしみ込んでいます。

工場では奥さんの加寿さんが、反物を織っていました。奥さんがタイミング見てすばやく横糸の色を変え横縞を織っている様は長年にわたり市木木綿を織りつづけてこられた職人の技と感を目の当たりにしました。参加者もスタッフも取材陣も皆熱心に大久保さんの説明を聞いていました。

奥さんが反物をおっています。
昔からずっと使い続けてきた糸巻き

赤や黄、水色やオレンジのきれいな色の糸が束ねられ置いてありました。それらの色に黒や紺の糸を合わせる事で渋みのある落ち着いた色の生地に仕上がり、光のあたり具合で玉虫の羽の様に色が変わるのも市木木綿の特徴の一つです。

カラフルな糸
横糸

大久保さんが工場でお話しされた時に、いくつかの大きさの異なる歯車を見せてくれました。歯車の大きさを変えることで生地の目が変わるそうです。長年の経験と感で歯車を変え,昔も今も変わらずにしっかりと目が詰まった調度いい風合いの生地に織り上がるように調節をしているそうです。
工場の見学が終わり、大久保さんのお宅でのお話しは、市木木綿が本物であるために手を抜かず、誇りと自信を持って製造している事をうかがいました。
市木木綿を織っている最後の工場であり、後継者がいないことにについて「時代の流れで仕方ないことですな・・・」と話す大久保さんでしたが、この伝統の技術をなくさないで伝えていくために、何か良い取組がないものか私たちも考えさせられました。

大久保さんがこれまでに織ってきたシマ模様の見本
大久保さんが仕立てたものには全てこのタグがついています。
大久保さんの仕立てたシマ模様の美しいシャツ

参加者と大久保さん夫妻との記念写真を撮り、公民館に移動しました。

大久保さんを囲んで記念撮影

市木木綿の手芸をアドバイスしてくださる倉本和子さんの作品をみせてもらい、巾着袋、鍋つかみなどを作りながら、「生地は厚みが有るけど針の通りがよく縫いやすい。」、「何とか残していけないものか・・・」、「他の木綿には、こんな風合いの良さは無いなぁ。」など口々にしていました。

倉本さんの作品を眺めているところ

和気合いあいとした雰囲気の中、巾着袋が出来上がった人、何種類かの型を切り、倉本さんにポイントを聞いて家に帰ってからじっくり縫うという人、ただ一人の男性参加者は、型紙と生地を奥さんへのお土産にしました。

あっという間に時間が過ぎましたが、倉本さん、参加者はそれぞれに市木木綿の良さと、来存続が危ぶまれている事を口にして惜しんでいました。

小物作りをしているところ
倉本さんの作品

以上


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